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本当に久しぶりに実家の方の叔母からヘルプの電話をもらいました。
もう80歳になる叔母ですが、叔父の介護を自宅でしているパワフルな叔母です。
かなり慌てている様子で、話を聞くと
「背中にオデキができて病院に行ったら薬が出た。それを使っていたら良くなった。友達におできの様子を見てもらったらもう何もないと言われたけれど、医者が腫れがおさまったら手術でおできをえぐり取ると言われた。手術はやった方がいいか?」
かなり興奮していたので、捲し立ててはいましたがようやくするとそんなことらしい。
医師もちゃんと紙に書いて説明してくれたらしいのですが、叔母も自分解釈の強めな人なのに加えて、そのメモがかなり読みにくいらしく(コレは医者あるあるです)瘤を癌と読み違える始末。なんだか悪いものなんじゃないかと不安がっていました。
よくよく話を聞いてみると、おそらく「粉瘤(ふんりゅう)」のようでした。
「粉瘤」は良くある疾患で、皮膚の下に袋ができてそこに何かの刺激などで膿が溜まることで炎症や腫れを起こします。薬で落ち着きはしますが、袋があるかぎりそこが炎症することを繰り返す事が多いので、根治治療はその袋を外科処置で取り除く事が必要です。
コレを叔母にわかりやすく簡単に伝え、えぐり取るのではなく、ちゃんと麻酔をして皮膚を数ミリ針のようなもので引っ掻いてそこからピンセットで袋を引っ張り出して、傷は医療用のテープでピッタリ貼っておしまいだよ、というと、さっきまでの慌てぶりが落ち着いて
「じゃぁやってもらっちゃった方がいいね」と病院に行くことを約束してくれました。
ポイントは袋を取らないと何度も繰り返すから取っちゃった方がいいよ。というのと、えぐり取ると思っていた手技をイメージしやすく話して恐怖と不安を取り除いたこと。
あとは興奮している叔母の葉なる口調に合わせて、栃木弁で私も少し語気強めで話し方をあわせたことでしょうか。コレをペーシングというのですが、相手の話すペースに合わせてこちらも話すと共感が得られやすいのです。
実家の親戚は皆個性強めなのですが、安心してもらえて良かったと思います。
親戚から、こんな症状だけどどこにかかったらいいかしら?とかこの治療でいいのかとか、医療者やっていると聞かれること多くないですか?
コレも看護師あるあるなんでしょうかね。