ショウさんは船橋の一人暮らしを終了して、帰ってきてからロードバイクのような(高価なものではありません)自転車を手に入れました。これで駅まで通学するつもりが、コロナ禍で全く稼働していませんでしたが、急に思い立って温泉に行ってくる!と夕方出かけて行きました。
八王子は自然いっぱいですし、駅前に温泉が湧いているくらいあちこちに入浴施設があるんです。サウナにも興味があったようで、帰ってきてから「整ったかい?」と聞くと、「あれはいいね〜」とおじさんのように返事をくれました。
私は常日頃、息子たちと話す折には、いい時と悪い時を行き来するときに心は苦しくなるのだから、安定したちょうど良いところで、淡々と過ごせるようになるといいよ。と話すのですが、ショウさんが自転車に乗っていて、その中庸がラクだということが少しわかったという。
彼曰く
「道って平坦じゃなくて、上がったり下がったりガタガタしたりしてるじゃない。この道の状況に合わせて、ギアを調節して走り方を一定に保つと、すごく気持ちよくてラクに走れるんだよ。ギアっていろんな走り方をするためにあると思ってたけど、実は走りを安定させてラクに走るためにあるんだって気づいたよ。これってお母さんが言ってる、安定したところで淡々とやるってやつと似てると思わない?」
体験が知恵と結びついたようです。
そうなんだよ。いい体験ができたね。これからも自転車を漕ぐたびに、それを思い出して、ギアを調節してね。