今日は思春期の男の子の子育てのお話をいたしましょう。
10歳をすぎると、男の子も第二次成長期を迎えます。この時彼らの身体はテストステロンが大量に出始めて、体を大人の男性らしいものに変えていきます。それと同時に体は大人じみてきますが、心の成長はというと男の子は女の子に比べてゆっくりなようで、まだまだ親に甘えたい、守ってもらいたいという思いがある一方で、もう大人なんだ、自分で決めてやってみたい、という自立心も芽生え始めます。
この大人のカラダと子どもの心のバランスがうまく取れないことの苛立ちが、彼らの攻撃的な言動に繋がっているように思えます。
それぞれの個性もあるかとは思いますが、思春期の反抗的な言動はホルモンのバランスがまだ取れていない事で起きているのかもしれないと思う事も、一つ大事なことかもしれません。
見た目は大人のように見えるでしょうが、心はまだまだ幼く、経験や体験もまだまだです。親はどうしても彼らに大人のような考えや行動を期待してしまいますが、それは重荷なのかもしれません。男の子の脳(心)はゆっくり成長していきます。そこで気にかけるべきは、彼らとの距離感です。子供扱いして、なんでも手助けするのではなく、少しずつ彼ら自身の任せていって、親は「どんな手伝いをしてほしいか言ってくれるかな?」と手を離していくことをしてみてください。
彼らの不安には信頼と愛でバックアップして、もし間違ったり失敗しても責め立てることよりも、そこから立ち上がって何が学べたかを伝えて、失敗を成長の糧にできるように手伝ってあげてください。
反抗はあくまでも両親は自分を愛していて、けっして裏切らないし自分を嫌いになんてならないという確信があるから起こることです。要は甘えているのかもしれませんね。そこを分かった上で、成長に必要な反抗期を乗り越えていきましょう。
今日のお話は子育てについて。
私も二人の息子を育てている時に、このことを知っていたら子供と関わるときにラクだったかもしれないなと感じていることです。
まず一つには子どもも生まれてきてから初めての体験ばかりなのと同じように、私たち親もお父さんお母さん一年生だということです。子供が生まれてから、もしくは妊娠してから始めて親になって、子どもと一緒に親子として成長していくのだということ。子どもも親である私たちもお互いに初めてのことばかりだけれど、がんばっていこうねという思いでいることもありかと思います。
もう一つには、特に10歳未満の子どもは「こども」という生き物だと思うこと。
人の子として生まれるわけですから、つい理屈で話をしてしまいがちですし、それでわからないとイライラしたりしてしまうこともあるでしょう。しかし、子どもは生まれてから少しずつ成長していくもので、まだまだ未熟なのです。人としての経験も知識もないのですから、一つ一つ教えていかなければなりません。成長しきった人のミニチュア版ではないのです。話してわかる事は少なく、理解できないのも当然です。そうであれば親が一緒にさまざまなことを体験していくことで、多くを得ていくのではないでしょうか。まだまだ未熟な「こども」という生き物なんだと思うことで、期待を寄せすぎることなく彼らを助けるためのさまざまなことができるのではないかと思うのです。
今そこにある子どもの姿をちゃんと見極めること。親はそこでどんな手助けやサポートができるのか、考えながら子育てはやっていくものなのかもしれません。