1. 在処通信
  2. 智慧のかけら
  3. 家族・子育ての智慧
 

家族・子育ての智慧

認知症の母が目覚めた香りの威力

 

 

今年のゴールデンウィーク、私は家族や親戚と賑やかな時間を過ごしてきました。

 

自炊をがんばる一人暮らしの次男を「とにかく食べさせて」送り出したり、地元・栃木で成長した甥っ子に驚いたりと、リフレッシュできた休日でした。

 

そんな帰省のなかで、特に印象深かった「母との面会」での出来事をお話ししたいと思います。

 

なかなか目が合わない、もどかしい時間

 

施設に入っている私の母は、認知症の症状に波がある「まだら」な状態です。

 

ここ最近は、面会に行ってもずっと目を閉じてしかめっ面をしたまま。声をかけてもなかなか反応がなく、少し寂しい思いをすることもありました。

 

今回も、車椅子で現れた母はぎゅっと目をつむって眠っています。

 

そんな母を見て、まめに通っている弟が「肌が乾燥してカサカサなんだよね」と一言。そこで、私が持参したスキンケア用品で、母の顔を整えてあげることにしました。

 

ひとつのクリームが起こした変化

 

まずは、さっぱりとしたビオデルマの拭き取り化粧水で顔を拭き取ります。キュウリのような青々とした香りがするものだったのですが、妹と「パック中みたいね」なんて笑いながら、丁寧にケアをしました。

 

仕上げに塗ったのは、母が昔から愛用していたアロエ入りのクリーム。

手のひらで温めてから、乾燥が気になる部分にそっと伸ばしていきました。

 

すると、その瞬間です。

 

ずっと固く目を閉じていた母が、ぱちっと目を開けたのです。

 

その瞳には、はっきりとした「意志」が宿っていました。

 

母は私の顔をじっと見て名前を呼び、続いて妹や弟、主人の名前まで次々と言い当てたのです。いつもは間違えがちな甥っ子の名前も、この日は完璧でした。

 

「女性としての習慣」が脳を呼び覚ます

 

なぜ、これほどまでに意識が鮮明になったのか。

 

私は、あの「クリームの香り」が脳のスイッチを入れたのだと感じています。

 

香りの記憶は、脳にダイレクトに届くと言われます。

 

特に母にとって、お化粧品を手に取ることは、長年続けてきた「女性として自分を整える」という大切な習慣でした。

 

あの懐かしい香りが、お化粧をしていた頃のシャキッとした自分を、一瞬で呼び戻してくれたのかもしれません。

 

介護のヒントに「なじみの香り」を

 

科学的な理屈はさておき、目の前で母の目が輝き、意志を持って手を振ってくれたことは、私たち兄弟にとって本当に嬉しい出来事でした。

 

もし介護のなかで「コミュニケーションが難しいな」と感じる場面があれば、その方が昔から親しんでいた「なじみの香り」を試してみるのも一つの手かもしれません。

 

愛用していた化粧品の匂い

 

いつも飲んでいたお茶の香り

 

好きだったお花の香り

 

そんな些細なきっかけが、心の扉をひらくカギになることがあります。

 

女性にとって「綺麗に整えること」の力は、私たちが思う以上にパワフルなのかもしれませんね。

 

皆さんの思い出のなかには、どんな「スイッチ」が眠っていますか?

 

そんなことをふと思い出しながら、日常を楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

それでは、また次回お会いしましょう。




認知症の母が目覚めた 香りの威力 - 思考のダイアローグ | stand.fm 「自分を整える」という長年の習慣は、私たちが思う以上に深く脳に刻まれているようです。 母がかつて愛用していたクリームの香りが、一瞬で彼女の「意志」を呼び戻してくれました。 理論も大切ですが、こうした日常...
 

 

TASTEMARKET
パーソナルスタイリスト堀口桂子先生のサイト。
魂のカタチをファッションから視覚化するスペシャリスト。究極のファッションコンサルタントを体験してください。

旬顔ヘアメイクレッスン
ヘアメイクアップアーティスト三上さくらさんのサイト。
自分らしいヘアメイクに自信を持ちたい人に。メイクで心を整える。